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KOUHOU HIKAWA TOWN 2007 No.622

このひと

ゲートボールで日本一をめざす
 角 多美男さん(直江駐在所)

「とにかく日本一に」
角 多美男さん

 直江駐在所に勤務する角さんは、ゲートボールに情熱を注ぐおまわりさん。26年前、警察官の研修会場のグラウンドで出会ったご老人に進められたのがきっかけでした。ゲートボールの魅力を感じた角さんは以後、転勤する先々で地元のチームに溶け込んでは、実力をつけていきました。
 技術もトップレベルに達し、松江署に転勤した平成7年、署員で編成されていたチーム「安心倶楽部」の戦力強化を狙って、県内全域の警察官からゲートボールの名手をチームに集めました。
 社会人大会では、平成12年の県大会で優勝を果たし、初出場した全国大会では3位の成績を収めました。この成績に喜ぶチームメイトとは異なり、角さんは喜びを感じませんでした。「初出場で初優勝する」と強く心に決めていたからです。
 その後も全国大会に出場しましたが、好成績を収めたことで生じた過信や慢心をチームから拭えず、予選敗退が続きました。そして、全国3位から5年が経った平成17年、ひたむきな姿勢で臨むことができたという全国大会で見事、全国2位のタイトルを獲得しました。
 「大会までに集まって練習することはない。県大会で集まるのが初めてだから、その試合がチームの練習になっている」。メンバーの勤務地が県内に分散しているため、合同で練習することは困難なのが現実のようです。メンバーはそれぞれの勤務地の地元チームで練習を行っています。
 強さのゆえんは、日頃のチーム練習の積み重ねではなく、角さんの試合運びの采配にありました。采配といっても、試合で角さんは、あれこれとやかましくは言いません。技術に長ける自身が、打順の1番目に立つことで、さりげなく理想の玉運びのストーリーをつくるようです。つまり、一番手の角さんが、自身の描いたストーリーの起点となる正確な玉を打ち、続いて上手なメンバー順に配置した2番手以降の選手が、その玉運びのリズムに乗りながら打つことで、思い通りのストーリーを描くという仕掛けです。
 采配の力は、地域にも発揮します。子どもたちや一般向けに指導を行うことで、技術の底辺拡大に努めています。そこで心がけているのが゛褒めること゛。「些細な成功でも褒めることが大切。負けた話はどうでもよいから、一回でも勝った話をして、選手たちが褒めあうことが大切。これがチームを強くする」。
 褒めることで、指導している子どもの性格が変化し、技術も向上しました。「挨拶のできなかった子どもができるようになった。いじめをする子どもがしなくなった」。
 ゲートボールを通じて、人の心を豊かにすることはまだありました。「家族以外の人と話しをする機会が少ない昨今、人と触れ合う社交場としてもゲートボール場に出向くこと」。
 人は気持ちによって変わることを自身の体験にも振り返ります。3年前にガンを発症し、手術しました。『 99パーセントの確立で、手術しても死ぬ』と医者から宣告を受けましたが、「元気になってゲートボールをするぞ」と目標を持ち、強い意志で克服。現在に至っています。
 定年退職まであと2年。「県警チームでも地域のチームでも、とにかく目標は日本一になること。退職後はメンバーのOBともやりたい」と、力みなぎるおまわりさんでした。
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